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岩見信吾ウェブログ/イワメディア:岩手盛岡・三陸宮古オモッセ&ソーシャル

新たな地方経済圏を創る?

time 2016/02/01

ご指摘の通り、単に箱物を作ったり、一時的なイベントを行ったりするだけでは、東京や大都市圏のような強い吸引力を持つ場所にはなかなか勝てません。人がいて、仕事があって、街があるという好循環を生み出すためには、その吸引力に負けない「何か」が必要になります。

その吸引力に負けないもの、それは一言で言えば、「その地域ならではの、かけがえのない魅力と価値」です。
もう少し具体的に分解して説明します。

 

大都市圏の吸引力に対抗するための、地方の「かけがえのない魅力と価値」とは?

  1. 地域固有の資源と文化を活かした独自性:

    • 自然の魅力: 美しい景観、豊かな自然、温泉、地域特有の気候風土などは、都市部にはない大きな魅力です。これらを観光資源としてだけでなく、人々の暮らしの質を高める要素として活かすことができます。
    • 歴史・文化: 古くからの伝統、祭り、食文化、地元の工芸品などは、その地域ならではのアイデンティティを形成します。これらの文化を大切にし、新しい形で発信していくことが重要です。
    • 地域産業: 農業、漁業、林業といった第一次産業や、そこで培われた技術、地元の素材を活かした産業は、その地域ならではの雇用を生み出し、経済の基盤となります。
  2. 「共生」の価値観に基づいた新しいライフスタイル:

    • ゆとりある暮らし: 満員電車や通勤ラッシュとは無縁の、時間や空間にゆとりのある生活は、心身の健康につながります。
    • コミュニティの温かさ: 顔が見える関係性、助け合いの精神が根付いた地域コミュニティは、孤立感を軽減し、安心感をもたらします。
    • 子育てのしやすさ: 自然豊かな環境、地域全体で見守る子育て環境は、都市部にはない魅力です。
  3. 新しい働き方と創造性の発揮:

    • 多様な働き方の可能性: テレワークの普及により、場所に縛られない働き方が広がっています。地方にいながら都市部の仕事をする、あるいは地方で新しいビジネスを始めるなど、多様な選択肢を提供できます。
    • 起業・イノベーションの支援: 地域資源や課題を活かした新しいビジネスの創出を支援することで、地域に新たな活力を生み出します。
    • 創造性を刺激する環境: 自然や文化に触れることで、新しいアイデアが生まれたり、創造性が高まったりする可能性があります。

 

「人がいて、仕事があって、街がある」を持続可能なものにするために:

単にこれらの要素を並べるだけでなく、これらが有機的に結びつき、好循環を生み出す仕組みを作ることが重要です。

  • 魅力的な仕事づくり: 地域資源を活かした産業の育成、新しい働き方の支援、起業家の育成などにより、地域に根ざした魅力的な仕事を生み出す。
  • 暮らしやすい街づくり: 医療、教育、交通、情報インフラなどを整備し、誰もが安心して快適に暮らせる環境を整える。
  • 多様な人材の受け入れ: 若者、移住者、高齢者など、多様な背景を持つ人々が活躍できるような、オープンで魅力的な地域社会を形成する。
  • 地域間の連携: 近隣の自治体や企業と連携し、広域的な経済圏を形成することで、より大きなスケールメリットを生み出す。

 

まとめ:

地方創生で重要なのは、大都市圏の模倣ではなく、その地域ならではの「かけがえのない魅力と価値」を磨き上げ、それを求める人々にとって魅力的な選択肢となることです。「共生」の価値観を大切にし、新しいライフスタイルや働き方を提案することで、強い吸引力を持つ地域経済圏を創り上げることができるはずです。

いくら立派な建物を作っても、そこに「暮らしたい」「働きたい」と思える魅力がなければ、人は集まりません。
その地域にしかない価値を見出し、それを最大限に活かすことこそが、地方創生の鍵となるでしょう。

プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo

岩見 信吾 / IWAMI Shingo

NPOスペシャリスト・地域情報化プランナー: @IwaminTV / @iwateNPO / @IwateNow / @aiinaNPO 元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]

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