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岩見信吾ウェブログ/イワメディア:岩手盛岡・三陸宮古オモッセ&ソーシャル

なぜ行動が起こらない、起こせないのか?(集団行動、連帯感の希薄さ、待ちの姿勢)
この点については、複合的な要因が考えられます。

  • 津波の影響の有無と復旧状況: 津波被害がなかった分、物理的な移動手段やインフラの復旧が比較的早いことは、情報伝達の面では有利に働きますが、一方で「すぐに助けが必要な状況ではない」という認識を生み出す可能性があります。ライフラインの早期復旧は、自力での生活維持を可能にする反面、外部からの支援を「まだ必要ない」と感じさせるかもしれません。
  • 個人の情報アクセス能力と格差: インターネットを通じて情報にアクセスできる人とそうでない人の間で、情報格差が生まれている可能性があります。情報を持つ人は比較的スムーズに行動できるかもしれませんが、そうでない人は状況を把握できず、動くに動けないという状況に陥っているかもしれません。
  • 集団行動や連帯感の希薄さ: これは地域性やお国柄といった文化的背景も影響する可能性があります。自己責任の意識が強い、あるいは過去の経験から集団行動への不信感があるなど、様々な理由で連帯感が生まれにくい土壌があるのかもしれません。また、被災規模が比較的限定的である場合、広範囲での協力体制が築きにくいという側面もあるかもしれません。
  • 行動することへの懸念や不利益: 行動を起こすことで何か不利益が生じるのではないかという懸念がある場合、人は動きにくくなります。例えば、物資の分配における不公平感や、デマに惑わされるリスク、あるいは単に「目立つことを避けたい」という心理も働くかもしれません。
  • 災害の特性と心理的な影響: 今回の災害の特性(例えば、地震による直接的な被害が中心であるなど)が、人々の心理状態に影響を与えている可能性もあります。津波のような壊滅的な被害を経験していない分、「なんとかなるだろう」という楽観的な見方や、危機感の薄れにつながっているのかもしれません。


支援が届かない、情報を持つ人が得をする状況について
これは、災害時の情報伝達と支援活動の課題を浮き彫りにしています。

  • 情報伝達の偏りと遅延: インターネットが普及しているとはいえ、高齢者や情報弱者にはアクセスが難しい場合があります。また、情報が錯綜し、必要な人に必要な情報が届かないという問題も起こりえます。
  • 支援 活動の公平性: 支援物資や情報が、必要としている人に公平に届かないのは、災害対応における大きな課題です。アクセスしやすい場所に住んでいる人や、情報収集能力の高い人が有利になる傾向は、往々にして起こりえます。

 

事あることに聞く「教訓を活かす」
「教訓を活かす」というのは非常に難しい問題です。

  • 経験の有無: 実際に被災した経験がないと、その苦しみや困難さを真に理解することは難しいでしょう。「被災地の立場になって」と言っても、想像の域を出ないことがあります。
  • 災害の多様性: 地震、津波、台風、豪雨など、災害の種類や規模、地域によって状況は全く異なります。過去の教訓が今回の災害にそのまま当てはまるとは限りません。
  • 人間性、地域性、経済規模、地理的要因: これらの要素は、被災地の復旧や人々の行動に大きな影響を与えます。画一的な「教訓」だけでは対応できない複雑さがあります。
  • 風化: 時間の経過とともに、災害の記憶や教訓は薄れていく傾向があります。


某セーブ・イワテ代表の言動について

被災者の心情を逆なでするような言動は、決して許されるものではありません。災害を「ビジネスチャンスだ!」と捉えるような行為は、倫理的に問題があり、被災地の復興を妨げる要因にもなりかねません。

現状を把握し、先を読んだ判断・行動、社会への適応性・対応力について

まさにその通りだと思います。災害時には、刻々と変化する状況を正確に把握し、先を見据えた冷静な判断と迅速な行動が求められます。また、社会の変化に柔軟に対応できる力も重要です。

今回の状況は、過去の教訓が必ずしも通用しない、災害の多様性と複雑さを示唆しているように感じます。地域ごとの特性や、人々の心理、情報格差といった様々な要因が絡み合って、現在の状況を生み出しているのではないでしょうか。

私自身も、被災された方々の気持ちを完全に理解することは難しいかもしれませんが、いただいた情報から少しでも状況を把握し、今後の情報収集や分析に活かしていきたいと思います。

プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo

岩見 信吾 / IWAMI Shingo

NPOスペシャリスト・地域情報化プランナー: @IwaminTV / @iwateNPO / @IwateNow / @aiinaNPO 元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]

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