
最近、政治家や政党・政治活動団体がインターネットを通じて政治活動資金を募る「クラウドファンディング」が、新しい政治参加の形として注目を集めています。
「クリーンな政治のため、企業献金に頼らない!」「市民の力で政治を動かそう!」
こうしたキャッチーな言葉と共に、多くのプロジェクトが立ち上がり、共感した市民がスマートフォン一つで手軽に支援できる。一見すると、これは理想的な「市民主体」の政治に見えるかもしれません。
しかし、一歩立ち止まって考えてみましょう。この仕組み、本当に市民が「主役」なのでしょうか。むしろ、政治が市民に「課金」を求める「市民課金」モデルになってはいないでしょうか?
「政策」の前に「財布」を開かせる仕組み
本来の「市民主体」の政治とは何でしょうか?
それは、私たちが日々の暮らしの中で感じる課題や未来への希望を、政策という形で実現してくれる代表者を選ぶことから始まります。私たちは、政治家の掲げる理念や政策をじっくりと吟味し、議論し、投票という行動で意思を示します。つまり、主役はあくまで市民一人ひとりの「意思」や「政策判断」です。
一方で、政治クラウドファンディングの多くは、まず私たちに「財布を開かせる」ことから始まります。それこそ「市民・有権者【負担】の始まり」であり、【二重課税】そのものです。
プロジェクトページには、候補者の熱い想いやビジョンが語られます。しかし、私たちが最初に行うアクションは、政策への深い理解や議論ではなく、「支援」という名の資金提供、つまり「お金を出す」ことです。
これは、まるで応援したいクリエイターに「投げ銭」をしたり、好きなゲームで「ガチャ」を回したりする感覚に似ていないでしょうか。共感や期待に対してお金を払い、その見返り(リターン)として活動報告やオリジナルグッズを受け取る。この構造は、まさに「課金」そのものです。
「市民課金」がもたらす3つの危険性
「応援したい人にお金を出すのが、何がいけないの?」 もちろん、その気持ち自体は尊いものです。しかし、この「市民課金」モデルが政治の当たり前になると、いくつかの危険性が生まれます。
1. 政策よりも「人気」や「共感」が優先される
課金モデルで成功するためには、多くの人の感情に訴えかけ、共感を呼ぶストーリーが重要になります。そうなると、地味で時間のかかる政策課題よりも、分かりやすく、キャッチーで、時に過激な主張をする人にお金が集まりやすくなる危険性があります。政治が、中身の伴わない人気投票になってしまうのです。
2. 「お金を出せる市民」の声が大きくなる
「誰でも少額から参加できる」というのはクラウドファンディングの魅力です。しかし、現実には高額な支援をする人もいます。政治家にとって、多額の「課金」をしてくれた支援者は「太い客」に見えてしまうかもしれません。結果的に、声の大きさがお金の量に比例してしまい、資金を提供できない、あるいはしたくない市民の声が軽んじられる恐れがあります。これでは、一部の裕福な個人や企業から献金を受けていた旧来の政治と、本質的に何が違うのでしょうか。
3. 政治が「運営」に、市民が「ユーザー」になる
課金してくれた「ユーザー(市民)」の期待に応え続けなければ、次の「課金」はありません。政治家は、長期的な視点で国や地域の未来を考えるよりも、目先の支援者(課金ユーザー)の顔色をうかがうようになりがちです。政策が実現しなかった時、市民は「課金したのに裏切られた」と感じ、政治家は「サービスが不十分だった」と謝罪する。このような関係性は、本来あるべき市民と政治家の緊張感ある関係とは程遠いものです。
真の「市民主体」を取り戻すために
政治クラウドファンディングは、政治への関心の入り口として、また新しい資金調達の選択肢として、可能性を秘めています。
しかし、私たちはその手軽さに流されることなく、その本質が「市民課金」モデルであるという側面を冷静に見極める必要があります。
私たちが政治家に求めるべきは、財布を開くことへの見返り(リターン)ではありません。私たちの暮らしを豊かにし、未来への責任を果たす「政策の実現」です。
そのためには、お金を出すだけでなく、
- 学ぶこと:候補者が何を言っているのか、その政策は本当に実現可能なのかを学ぶ。
- 議論すること:家族や友人と政治について語り合い、多様な意見に耳を傾ける。
- 投票に行くこと:最も重要な意思表示である選挙権を放棄しない。
これら地道な行動の積み重ねこそが、真の「市民主体」の政治を実現する唯一の道です。
次にあなたが政治クラウドファンディングのページを目にした時、ぜひ一度問いかけてみてください。
「私は今、未来の社会に参加しようとしているのか。それとも、ただ『課金』しようとしているだけなのか」と・・・どちらですか??
政治クラウドファンディングは透明性が肝です。使用目的はなんですか?
SNSに付随する制作物がほとんどではないですか?
現時点で、具体的な政策はしっかり述べられていますか?
そして、収支決算書をきちんと見ることです。
この記事を見て、なんか気になる点があったら速攻「やっぱ返して!」と言ってみてはいかがでしょうか?
進んで「クーリングオフ」を活用しましょう!
たくさんのみなさんのご理解、ありがとうございました。
岩見 信吾
【公職選挙法に関する注意点】
政治資金規正法上、政治家個人への寄付は原則として禁止されています。政治家への寄付は、候補者が代表を務める政治団体が受け取る形になります。また、選挙期間中の寄付の募集は「事前運動」とみなされ、公職選挙法に抵触する可能性があります。さらに、居住地以外の地域の候補者への寄付は制限されるなど、公職選挙法には細かな規定が存在します。政治クラウドファンディングを利用する際は、これらの法的制約を十分に理解し、適切に行動することが重要です。
プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo
NPOスペシャリスト・地域情報化プランナー:
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
それは「手柄の横取り」ではない!「魂の略奪」である!!
もし、あなたが24年という歳月をかけ、丹精込めて豊かな果樹園を育て上げたとします。
色とりどりの果物が実り、多くの人がその恵みで笑顔になった、まさにその収穫の直前。
ある日突然、有力者を名乗る人物が現れて、こう宣言します。
「この素晴らしい果樹園は、私が作ったものだ!」
そして、あなたの存在そのものを否定し、まるであなたが最初からいなかったかのように振る舞い、果実だけをすべて奪い去る。
挙句の果てに管理を放棄し、果樹園を荒れ放題にしてしまったとしたら……。
あなたはどう感じますか?
これは、単なるたとえ話ではありません。
私、岩見信吾が、この岩手の地で24年以上にわたり続けてきた社会貢献活動、NPOボランティア、そしてNPO団体の運営支援という活動の現場で、実際に起きたことなのです。
これは「ひどい事」という一言では片づけられない!!
私の24年以上にわたる活動の成果を奪い、その活動を無責任に投げ出し、そして何より、私という人間がNPO活動に存在しなかったかのように扱う行為。
これを「ひどい事」という一言で片づけてはいけません。
これは、一人の人間の人生という時間を、土足で踏みにじる行為です。
汗も涙も、喜びも苦悩も、すべてが詰まった24年という歴史のページをビリビリに破り捨て、「無かったこと」にする歴史の改ざんです。
その人が地域に捧げた善意や情熱、築き上げてきた信頼関係を根こそぎ奪い去る、まさに「魂の略奪行為」と言っても過言ではないのです。
想像してみてください。これがどれほど残酷で、非人道的な行為であるか?
【マラソンランナーの悲劇】
42.195kmを血の滲むような努力で走り抜き、ゴールテープの目前まで来たランナーを押しのけて、ずっと待機していた人物がゴールし、すべての喝采を浴びる。
それどころか、元々走っていたランナーは「コースを走っていなかった」ことにされてしまうのです。
【我が子を奪われる親の痛み】
愛情を込めて育て上げた我が子の名前を、ある日突然、他人が自分の子として戸籍を書き換え、自らの功績として自慢し始める。
そして、本当の親の存在は、誰の記憶からも消し去られようとするのです。 これが、どれほど残酷で非人道的な行為であるか、お分かりいただけるでしょうか。
これは単なるビジネス上の成果の横取りとは次元が違います。
人の善意と人生そのものを否定する、最も卑劣な行為の一つです。
なぜ、このような人物が地域のリーダーに向いていないのか?
そして今、このような行為を平然と行った人物が、地域のリーダーになろうとしている、あるいは既になっているとしたら、私たちはその現実を直視しなければなりません。
なぜなら、その人物はリーダーとして致命的な欠陥を抱えているからです。
- 他人の痛みがわからない 人が時間と情熱を注いだものを平気で奪い、その存在を無かったことにできる人間は、他人の痛みに共感する能力が決定的に欠如しています。
これは、市民一人ひとりの暮らしや想いを背負うリーダーには、絶対にあってはならない資質です。
- 誠実さの欠片もない 他人の功績を盗んで自分のものだと言い張る不誠実さ。
これは、市民に対しても平気で嘘をつき、情報を隠蔽し、自分に都合の良いように事実を捻じ曲げる危険性を示唆しています。
そのようなリーダーの下では、公正で透明な地域運営など望むべくもありません。
- 感謝と尊敬を知らない 地域社会は、名前も知られていないような多くの人々の地道な努力と貢献によって成り立っています。
その努力を踏みにじる人間は、市民への感謝や尊敬の念を持ち合わせていません。
自分より弱い立場の人、声の小さい人を切り捨て、使い捨てる政治を行うことは火を見るより明らかです。
- 責任感の欠如 美味しいところだけを奪い、面倒になった途端に活動を無責任に投げ出す行為は、リーダーの根幹である「責任感」の無さを露呈しています。
困難な課題や災害が起きた時、真っ先に地域や住民を放り出すのは、このような人物です。
人の努力の結晶を土足で踏みにじり、その上に自分の城を築こうとする人物は、リーダーではありません。
地域社会という共同体を破壊する
「略奪者」です。
「知らなかった」では済まされない。応援するあなたの社会的責任
「あの人は良い人そうだから」「詳しいことは分からないけど、応援している」
その一言が、どれだけ重い責任を伴うか、私たちは考えなければなりません。
事実を知らずに、あるいは知ろうともせずに、こうした人物を応援することは、不正行為への加担に他なりません。
あなたは、丹精込めて果物を育てた農家からすべてを奪った泥棒が売る果物を、「美味しそうだ」と言って買うのと同じ過ちを犯しているかもしれません。
あなたは、歴史の改ざんに「その通りだ」と拍手を送る群衆の一人になっているかもしれません。
あなたの無邪気な「いいね!」や「応援」が、不誠実な人物に「お墨付き」を与え、その卑劣な行為を正当化し、新たな被害者を生む力になってしまうのです。
未来を選ぶのは、私たち一人ひとりです!
地域の未来を選ぶのは、私たち一人ひとりです。
リーダーを選ぶという行為は、私たちの暮らしと子どもたちの未来を託す、極めて重い決断です。
表面的なイメージや耳障りの良い言葉に惑わされてはいけません。
その人がこれまで「何をしてきたか」、そして「どのように人と向き合ってきたか」。 その行動の積み重ねこそが、その人物の本質を表します。
どうか、あなたの清き一票、あなたの善意からの応援が、「魂の略奪者」を生み出す力とならないよう、真実を見抜く目を持ってください。
誠実な人間が、その努力が、正当に評価される社会。
人の痛みがわかるリーダーが、地域を導く社会。
そんな当たり前の社会を築く責任が、私たち一人ひとりにあるのです。
私を「無かったこと」にした、「特定非営利活動法人 いわて連携復興センター」、「特定非営利活動法人 いわてNPOフォーラム21」の代表や理事、事務局長そしてその組織に加担する人物を、私は絶対に許しません。
一人の人間の功績と人格、そして費やした人生の時間を社会的に抹殺しようとするこの行為は、個人の尊厳を著しく踏みにじる、断じて許されない「人権侵害」です。
何も考えず「無邪気」応援するあなたの姿勢、今すぐ改めませんか?
多くのみなさんのご理解、ありがとうございました。
岩見 信吾
次回は、政治活動団体のクラウドファンディングの危険性について論説します。
プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
地域活動を応援したい、志ある地方議員の皆さん。近年、NPO団体や地域団体が活動資金を集める手段としてクラウドファンディング(クラファン)を活用するケースが増えていますね。
地域を良くしようと頑張る団体を、議員として応援したい気持ちは当然のことだと思います。
しかし、地方議員という立場上、その応援方法によっては「公職選挙法(公選法)」に抵触してしまうリスクがあることをご存知でしょうか?
今回は、NPO団体等のクラファンを応援する際に特に注意が必要な「応援メッセージ」と「議員自身による寄付」について、分かりやすく解説します。
1. 応援メッセージを送る場合の注意点
「頑張ってください!」「素晴らしい活動ですね!」そんな応援メッセージを送りたい場面。
これ自体が即座に違法となる可能性は低いですが、注意すべき点があります。
- メッセージの内容:
- OKライン: NPOの活動内容や理念への賛意、成功を願う一般的な激励メッセージ。
- 注意ライン: 「皆さん、ぜひこのクラファンにご協力(寄付)をお願いします!」といった直接的な寄付の呼びかけ。
これは公選法で禁止されている「寄附の勧誘・要求」とみなされるリスクがあります。 - 注意ライン: 自身の議員としての立場を過度に強調し、見返りを期待させるような表現。
- メッセージの伝え方:
- 推奨: NPO側からの依頼に基づき、NPOが運営するクラファンページやSNS等で、他の応援者と並列して紹介される形。
- 注意: 議員自身のウェブサイトやSNSで大々的に取り上げ、自身の政治活動の一環として「私が応援するこのプロジェクトに寄付を!」と強く呼びかける形。
- 関連法規: 公職選挙法 第199条の5(寄附の勧誘、要求等の禁止)など
ポイント: 純粋な活動へのエールにとどめ、議員自身の立場を利用した「寄付集め」と見られないように配慮しましょう。
2. 議員自身が寄付をする場合の注意点【重要】
応援の気持ちを行動で示したい、と議員自身がクラファンに寄付を考える場合もあるかもしれません。
しかし、ここには非常に明確な法的制限があります。
- 原則禁止: 公職選挙法 第199条の2により、政治家(地方議員含む)は、自分の選挙区内にある者に対して寄付をすることが原則として禁止されています。
- これは、金銭や物品による利益供与を通じて、有権者の歓心を買ったり、票を集めたりする行為を防ぐための非常に厳しいルールです。
- 例外は、親族への寄付や、自身が所属する政党等への寄付など、ごく限定的です。
- クラファンへの寄付:
- NG: 応援したいNPOが議員自身の選挙区内に主たる事務所を置いていたり、主な活動地域が選挙区内であったりする場合、そのNPOのクラファンへ議員個人が寄付をすることは、この禁止規定に抵触する可能性が極めて高いです。
たとえ少額であっても、原則としてできません。 - グレーゾーン?: NPOが明らかに選挙区外の団体であれば、形式的には禁止規定の直接の対象外となる可能性はあります。
しかし、「選挙区内の有権者への利益誘導につながるのでは?」と疑念を持たれる可能性はゼロではありません。
安易な判断は禁物です。 - リターン型クラファン: リターン(返礼品)がある場合でも、その対価が実態に見合わない場合などは、実質的な寄付とみなされる可能性も考慮すべきです。
- 関連法規: 公職選挙法 第199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)
最重要ポイント: 選挙区内の団体や個人への寄付は、原則NG! クラファンも例外ではありません。
まとめ:迷ったら必ず確認を!
NPO等の地域活動を応援したいという議員の気持ちは尊いものです。しかし、その方法が公職選挙法に抵触しないよう、細心の注意が必要です。
- 応援メッセージ: 直接的な寄付の呼びかけは避け、一般的なエールにとどめる。
- 議員自身の寄付: 選挙区内の団体への寄付は原則禁止。クラファンも対象。
これらのルールは、時に「杓子定規だ」と感じるかもしれません。しかし、公正な選挙と政治活動を担保するための重要な決まりです。
「これくらいなら大丈夫だろう」「他の人もやっているから」といった自己判断は危険です。少しでも疑問や不安を感じたら、行動する前に必ずご自身の選挙を管轄する選挙管理委員会や法律の専門家(弁護士など)に確認するようにしてください。
正しい知識を持って、クリーンな形で地域活動を応援していきましょう!
免責事項: この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する法的アドバイスではありません。
個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。
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岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
「この団体、応援したい!」そう思った時、私たちは銀行口座から、あるいはクレジットカードを通して、温かい気持ちとともに寄付を送ります。
その瞬間、銀行やカード会社から「同じような活動をしている団体がありますよ!」なんて連絡が来ることは、今のところありません。
しかし、クラウドファンディングのサイトや、社会的な訴えへの署名を集めるプラットフォームはどうでしょうか?
あなたが過去に行った寄付や署名という行為。
それらはデータとして蓄積され、分析され、そして、あなたへのおすすめ情報として提示されることがあります。
一見便利なこの仕組みの裏側には、少し立ち止まって考えるべき側面が潜んでいます。
なぜなら、あなたの善意の行動から得られたデータの集合体は、「こういう対象に、こういう言葉を使えば、もっと寄付や署名が集まる」というノウハウを生み出す可能性があります。
そして、そのノウハウを有償で提供するビジネスが成り立つ、ということです。
もし、私たちがそうしたマーケティング支援サービスを利用する団体を通して寄付や署名をするのだとしたら、それは純粋な応援という気持ちと、何が違うのでしょうか?
「応援」と「購入」のあいまいな境界線
考え方が古いと言われるかもしれませんが、私は「個人情報のオーナーシップは本人にある」という原則を大切にしたいと考えています。自分の大切な情報が、知らないうちに誰かのビジネスの糧となり、その結果として、本来の応援したい気持ちとは少しずれた形で消費されていく。
そんな状況に、拭いきれない違和感を覚えるのです。
もちろん、効率的に支援を広げるためのマーケティングの必要性は理解できます。
しかし、その過程で、寄付や署名という行為が、まるで「商品」のように扱われてしまうことに、複雑な思いを抱く人もいるのではないでしょうか。
公益性を謳うなら、透明性を
クラウドファンディング事業者や署名サイトが、その活動の意義や社会貢献性を声高に語るのであれば、なおさら、データの取り扱いやビジネスモデルについても、 透明性を高めていただきたい。
マーケティング支援・代行事業者として、正々堂々とビジネスを展開することは全く問題ありません。
むしろ、専門的な知識や技術で、本当に必要としている団体をサポートすることは、社会にとっても有益でしょう。
大切なのは、団体自身が、そうしたサービスの仕組みを正確に理解し、自分たちの活動にとって何が重要なのかを見極めること。
そして、支援者である私たちも、その情報をしっかりと把握できることです。
私たちが本当に応援したいもの
結局のところ、私たちが応援したいのは、透明性があり、私たちの気持ちを尊重してくれる団体や企業なのではないでしょうか。
個人情報の扱いに真摯に向き合い、「応援したい」という純粋な気持ちを大切にしてくれる。
そんな姿勢こそが、長期的な信頼関係を築き、真の共感を広げていく力になるはずです。
今回の問いかけは、テクノロジーが進化し、データが大きな価値を持つ現代において、「応援」という行為の本質を改めて見つめ直す良い機会なのかもしれません。
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もしあなたが何かにお金を出したり、応援したりする時、どんな人を信頼しますか?
聞こえの良いことばかり言って、売ることや宣伝することにばかり熱心な人でしょうか?それとも、地味でもコツコツと良いものを作り、本当に価値のあるサービスを提供しようと頑張っている人でしょうか? きっと後者を選ぶ人が多いはずです。
なぜなら、中身が伴わない言葉は、すぐに嘘だとバレてしまうからです。
NPOの世界も同じです。「社会を良くしたい!」と声高に叫ぶのは簡単ですが、本当に社会を変えるためには、自分たちの活動内容(事業)の質を高め、組織を強くすることが何よりも大切です。
良いものを作れない人が、社会を良くすることなんてできないでしょう?
残念ながら、私がこれまで見てきた日本のNPOの中には、「自分たちを良くしよう」という気持ちが低いと感じることがあります。
「お金を集めること」や「活動をアピールすること」ばかりに力を入れていて、肝心の”「何をするか」「どうすればもっと良くなるか」”という基本的なことを、あまり考えていないように見えるのです。
社会を本当に良くしたいなら、それはただのきれいごとでは終わりません。地道に活動の質を上げ、組織を強くし、そこで働く人を育てるという、時間と手間のかかる努力が必要です。
お金を集めたり、情報を発信したりすることは、その努力を社会に伝え、仲間を増やすための手段です。
土台となる活動がお粗末なまま、いくら宣伝しても、それはハリボテのようなものです。
活動の質を高め、組織を成長させ、人を育てることに真剣に取り組む団体や起業家は、まるで黙々と良いものを作り続ける職人のようです。
彼らが提供する価値は本物であり、社会にしっかりと根を張り、少しずつでも確実に良い変化を生み出します。
一方、お金集めや宣伝ばかりに熱心な団体や起業家は、口の上手な応援団長のようです。
一時的に注目を集めるかもしれませんが、肝心な「応援する価値」がなければ、すぐに飽きられてしまうでしょう。
社会を変えるという難しい目標を達成するには、一時的な人気ではなく、長く続く成長が必要です。
日本のNPOが本当に社会の信頼を得て、大きな影響力を発揮するためには、「まず自分たちがもっと良くなる」という強い気持ちを持ち、活動の質を高めることに真剣に取り組む必要があるのではないでしょうか。
口先だけの理想を語るのではなく、行動で示す価値。
それこそが、私たちが本当に信頼し、応援したいと願う存在なのです。
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岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
「マルカン・花巻家守」も「いしわり・NPOウィズ」もやってしまったな・・・。
しかし、岩手日報のこの記事の書き方はなんだか・・・?
イケイケドンドン的な考え方やパリピ的な風貌・雰囲気も改めたほうがいいよ。
■マルカン食堂復活へ資金上積み 花巻・上町家守舎【岩手日報】より
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160829_2
(2016/8/29)
何も意図としていないのか…まぁ読み解ける人が見ると想像できるからいいか。
やはり見えてくるのは…
事業、資金とか何か?
出資、寄付とは何か?
そして、クラウドファンディングとは何か?
というのを理解しっかりされていないのでしょう。
認識がとても甘すぎる。歯が溶けるくらい。
こういうことになるのであれば、上積み・操作するのではなく、「リスタート」するのが普通なのではないでしょうか?
計画も金額も大幅に違っていますし。
そう思いませんか?
2億だと聞いて、「頑張って寄付をした人」もいるはず。
2億だと聞いて、「厳しいから寄付をしなかった人」もいるはずです。
ゴールは、食堂の復活だけなのか?いや、そうではないでしょう。運営し続けることですよね。
こういうことになるのであれば、クラウドファンディングに頼らずに地域の銀行から満額借りるべきだと。
地域の銀行さんもごにょごにょするし…。(独自取材)
ただ単に、一般市民の寄付者を利用し、クラウドファンディングの仕組みと家守社の売名をしたかっただけではないのでしょうか?
まぁ手数料が惜しかったのでしょうね…こんな事になるとはほんと残念です。
岩手の○○はダメですね。がまた増えるんですよ全く…。
リノベーション・家守・クラウドファンディング・NPO
【追記】岩手日報の新聞記事を見ても、後発の訂正ページやいしわりの記述をみても、誤解を招いたのは事実だと。
いろんな手段があったはずですし、またタイミングや時期もあったはずです。
しっかり説明する機会を設けてからするべきことだったのだと思います。
さまざま関連商品を買い・おすすめしましたが、なんか利用されたのでは?と感じてしまいました。
こういうことが積もってしまえば、足元をすくわれかねません。
寄付者と出資者の位置づけや役割はどうなのでしょうか?
なぜこの時期になったのか、そしてこの手段をとったのか説明すると聞いていますが、すごく距離が離れてしまいました。
いいことをしていても応援するのは人それぞれです。
一挙一動、見られています。
マルカン大食堂の味は、あの建物の全館・あのスタッフ全員の雰囲気・あの味を作り出していたのだと思います。
一部が少しでも欠けると、あの味・雰囲気を再現するのは、再開してもとても難しいように感じます。
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岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
東日本大震災・津波発災以降、公・民さまざまな基金が立ち上げられました。
また、クラウドファンディングも分野別や地域別のポータルサイトが誕生し、成功した時の手数料比率が下げられたり、期間を分けてのサービス合戦が始まったりするなど、分野を問わず小さな地域での寄付も気兼ねなく、募れたり・寄付できるとてもよい時代となったと思います。
しかし、ただでさえ地方の人口は減少しているのだから、寄付を地元だけではなく、少ないパイを奪い合うのではなく、地域の外から多く募る「外貨獲得」の意識があるのとないのではだいぶ違うと考える。
そして、多数見受けられる、打ち上げ花火的に一発のイベントで多く募るのではなく、少額でもいいから継続的に資金を途切れさせないようにと思うのは自分だけでしょうか。
また、ふるさと納税と同じで「お礼商品」ありきなキャンペーンが増えてきている。
お得感もあるけれど、「純粋な寄付の行動や文化」を定着させることには程遠くなってしまっている。
それが広告宣伝だと言ってしまえば終わりなのでしょうけど、それが一般的なこととなると、とても残念である。
私自身もクラウドファンディングや寄付サイトを活用し、様々活動をしているが、やはり地域外の方からのほうが、金額も回数や期間も長くいただいている傾向にある。
そして、そういう方々に対しても失礼にならないよう、長く続けられるような活動を通してお礼をし、そのような方を増やさなければならない。
ローカルなクラウドファンディングを批評するつもりはないけれど、どれだけの人の目に留まる機会(分母)が多いかなのだと思う。
足元を見るな。もっと先を見ろ。と言いたい。
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岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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