「私たちの街も、もっと【稼げる】ようにならなきゃ!」
最近、そんな言葉をよく耳にしませんか? 観光客を呼び、新しい商業施設を作り、とにかく効率よく収益を上げる。
一見、とてもポジティブな流れに思えます。
しかし、この「稼ぐ」や「効率化」という考え方を、むやみに「公共サービス」や「福祉」、さらには「歴史・文化・教育や景観の保全」に持ち込むと、深刻な問題が起きることをご存知でしょうか。
ピカピカの駅前や、短期的な「成果」の裏側で、私たちの暮らしや地域経済が静かに蝕まれていく危険があるのです。
今回は、その「ワナ」について分かりやすく解説します。
そもそも「稼ぐ事業」と「支える事業」はゴールが違う
まず、大前提として「まちの事業」には大きく分けて2つの種類があります。
- 稼ぐ事業(営利的な事業)
- 目的: 利益を最大化すること。効率(投資利益率)が最優先。
- 例: 観光地の開発、特産品の販売、商業施設の誘致。
- 考え方: 「儲かるか、儲からないか」が大事な判断基準。
- 支える事業(公共的・福祉的な事業)
- 目的: 住民の生活の質(公共の福祉)や安全を「最低限」保障すること。街のアイデンティティ(独自性)を守ること。
- 例: 公園、図書館、子育て支援、福祉、地域のバス路線、歴史・文化・景観の保全。
- 考え方: 「儲かるか」ではなく、「そこに必要な人がいるか」「それが街の未来にとって必要か」が大事な判断基準。
問題は、この2つを混同し、「2.支える事業」に「1.稼ぐ事業」のモノサシを当てはめてしまうことです。
「効率化」というモノサシが歪み(ひずみ)を生む
では、福祉や公共サービス、文化を「効率」や「見た目」で判断すると、どんな「歪み」が生まれるのでしょうか。具体的な例を見てみましょう。
歪み1:見た目優先で、生活インフラが崩れる
【例】ピカピカの駅前広場 vs ボロボロの水道管
- 稼ぐ視点: 「観光客が降り立つ駅前は、街の顔だ!ピカピカなモニュメントを建てて、イベント広場を作ろう!」(見た目が良く、成果が分かりやすい)
- 支える視点: 「(予算がそちらに回され)もう何十年も交換していない水道管や、老朽化した学校の耐震補強が後回しになってしまう…」(見た目は地味だが、生活に不可欠)
【結果】 見た目は良くなっても、ある日突然、水道管が破裂して断水したり、災害時に学校が危険な場所になったりします。これは市民生活への直接的な不利益です。
歪み2:効率優先で、暮らしの足が奪われる
【例】採算の取れないバス路線の廃止
- 稼ぐ視点: 「山間部を走るあのバス路線は、1日に5人しか乗らない。赤字だから廃止しよう。これが『効率化』だ。」
- 支える視点: 「その5人は、病院や買い物に行くために、そのバスが『唯一』の交通手段であるお年寄りかもしれない。」
【結果】 会社としては「赤字」が消えて効率化されますが、その5人の市民は移動の自由を奪われ、生活が立ち行かなくなります。これは公共の福祉の崩壊です。
歪み3:コストカットで、街の「魅力」が失われる
【例】「儲からない」歴史的な街並みや文化財の放置
- 稼ぐ視点(短期的):「あの古い街並みを維持するのは金がかかる。景観保全の予算をカットしよう。文化財の修繕費も削れ。目先の利益にならない。」
- 支える視点(長期的): 「その歴史や文化こそが、他の街にはない『唯一無二の魅力』であり、住民の誇り(アイデンティティ)の源泉ではないか?」
【結果】 目先のコストは削減できますが、街はどこにでもあるような「のっぺりとした風景」に変わっていきます。街の魅力が失われれば、観光客は来なくなり、結果として「稼げる街」からも遠ざかってしまいます。これは地域の「長期的な資産」を自ら捨てているのと同じです。
歪み4:「成果」の数字だけが求められる
【例】「来館者数」だけを追いかける図書館
- 稼ぐ視点: 「図書館の価値は『来館者数』だ。専門書の購入(コスト)を減らし、流行りのカフェを併設して、とにかく人を集めよう。」
- 支える視点: 「静かに調べ物や勉強をしたい学生、専門書を借りたい研究者、地域の歴史を学びたい住民の居場所がなくなってしまう。」
【結果】 「来館者数」という数字(見た目)は達成されますが、図書館本来の「知のインフラ」という公共的な役割が失われていきます。
その「歪み」は、回りまわって地域経済も壊していく
「でも、福祉や文化を切り捨てないと、街全体が破綻してしまうのでは?」と思うかもしれません。
しかし、逆です。「支える事業」を切り捨てることこそが、長期的に地域経済を不利益に導きます。
【魅力が失われたケース】
- コストカットで歴史的な景観や文化が失われる。
- 街が「どこにでもある退屈な場所」になる。
- 観光客が減り、観光収入が落ち込む。
- 街に愛着を持つ住民も減り、新しい人を惹きつけられず、人口が流出する。
【暮らしの足が失われたケース】
- バスの赤字路線が廃止される。
- 高齢者などが買い物に行けなくなる。
- 地域の小さな商店がお客様を失い、廃業する。
- 「住みにくい街」という評判が広がり、人口が減る。
このように、「効率化」のために切り捨てたはずの「コスト」が、何倍もの「不利益」となって地域経済全体に跳ね返ってくるのです。
まとめ:「稼ぐ」力は、「支える」ために使おう
「稼ぐまちづくり」が悪いわけでは、決してありません。新しい挑戦で収益を生み出すことは、街の活力を保つために不可欠です。
大事なのは、その順番と目的です。
- ダメな例:「稼ぐ」こと自体が目的になり、公共サービスや福祉、文化・景観を「コスト」として削っていく。
- 良い例:住民の暮らしと街の魅力を「支える」という土台をしっかり守るために、その原資として「稼ぐ」力を使う。
見た目がキレイな街も素敵ですが、それ以上に「誰もが安心して暮らし続けられ、誇りを持てる街」こそが、本当に強く、持続可能な街ではないでしょうか。
あなたの街の「効率化」や「新しい計画」が、本当に「暮らし」と「未来の魅力」を支えるものになっているか、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
このように間違った「稼ぐまちづくり」を狂犬的に受講生を増やし推進しようとする教育者、街づくりコンサルタントやファシリテーターも間違った教育の流布をしているので、十分責任があると考えます。
地方公共団体の間違った、時代に沿わないPFIやP-PFIもそうです。
「岩手公園の活用」や盛岡駅前の「木伏緑地の現状」をぜひ見てみてください。
プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo
NPOスペシャリスト・地域情報化プランナー:
@IwaminTV
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@iwateNPO
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@IwateNow
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@aiinaNPO
元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
盛岡市が発表した「7.6億円 123事業廃止見直し案」について、私が思うことを盛岡市長への手紙にて、盛岡市のホームページから投函しました。
最近、議員でもないのに、何をやっているの?と言われますが、無所属・底辺の「一般市民」がするべき行動としてやっています。
【件名】 「7.6億円 123事業見直し案」に関する市民の声と、地域文化・経済への深刻な影響について時下、市長におかれましては、本市の未来に向けたご尽力に深く感謝申し上げます。
この度、貴市が発表された「123の事業見直しによる7億6,000万円確保」の報道に接し、一市民として深い懸念を抱いております。
新しい給食センター整備の財源確保の必要性は理解しつつも、その手法と見直し対象事業の中身に、看過できない問題があると感じています。
懸念点1:見直しの優先順位の誤りと、効率化優先がもたらす歪(ひずみ)
今回の見直し案は、かつての国の「事業仕分け」のパフォーマンスを想起させます。
まず問われるべきは、事業の中止や補助金カットありきではなく、運営方法の組み替えや効率化による改善が先に徹底的に検討されたのか、という点です。
市民の目には、そのプロセスが欠落したまま、安易な事業廃止という手段が選ばれているように映ります。
これでは、見直しの優先順位が根本的に違っていると言わざるを得ません。
また、市の広報誌を削減するなど、効率化を優先するあまりの歪(ひずみ)は、必ず「市民生活の不利益」に直結します。
「経営改善」の名のもと、市民サービスや情報へのアクセスが後退することを強く危惧します。
懸念点2:地域経済、そして「盛岡の価値」そのものへの破壊行為
「いわて盛岡シティマラソン」や「もりおか街なかイルミネーション」といった事業は、単なるイベントではありません。
全国から人を呼び、地域経済を潤わせる重要な役割を担っています。
さらに申せば、これらのイベントや、貴市がこれまで進めてこられた【歴史的町並みの保存活用、観光推進事業は、単なる「稼ぐまちづくり」の手段ではなく、盛岡のアイデンティティを形成する「公共的要素」】であります。
これらの多くは、10年以上の歳月をかけて市民と共に継続し、ようやく実を結び始めている大切な財産です。
このタイミングで補助金や事業費をカットすることは、個々の事業を止めるにとどまらず、これまで積み上げてきた【「盛岡らしさ」「盛岡ブランド」そして市民の「シビックプライド(街への誇り)」そのものに対して、市が「ノー」を突きつけるに等しい行為】です。
確保できる市の7.6億円をはるかに上回る経済的損失と、市民の誇りの喪失を招くのであれば、それは「経営改善」ではなく「破壊」です。
結び
市が来年2月ごろの正式決定前に、影響を受ける団体から意見を聞く機会を設けていると承知しております。この機会を形式的なものとせず、以下の点を真剣に再検討していただくよう、強くお願い申し上げます。
- 事業中止を決定する前に、運営方法の組み替えによる継続の道を徹底的に模索すること。
- 事業がなくなることで「盛岡が何を失うのか」という、【金銭では測れない「街の価値」「人のつながり」、そして市民が育んできた「シビックプライド」】を、数字の論理だけで切り捨てないこと。
- 各事業の削減額と、その事業がもたらす地域経済への波及効果(機会費用)を、多角的な視点から詳細に比較検討し直すこと。
給食センター整備と並行して、市民が長年愛し、街の活気の源となってきたイベントや文化を「なし崩し」にしない、真に持続可能な「盛岡の価値」を守る改革を望みます。
市民の代表である市長に、冷徹なコストカットではなく、未来を見据えた温かい経営判断をされることを切に期待し、この手紙を捧げます。
プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
ご報告です。パブリックコメントを提出しました。
どのように評価をされ、コメントが付くか楽しみです。
内丸プラン(内丸地区再整備計画)基本方針編(素案)についての意見を募集します。【盛岡市役所 公式 ホームページ】
中心市街地の多くの建物が老朽化し、都市としての更新時期を迎えております。人口減少が進行する中、市が将来にわたって都市の活力を維持していくためには中心市街地を核として魅力的なまちであり続けることが必要であり、その第一歩が内丸地区の再整備になります。将来にわたり共有される一貫した方針のもと、再整備に取り組む必要があることから、内丸プラン(内丸地区再整備基本計画)基本方針編(素案)を作成しました。
つきましては、この内丸プラン(内丸地区再整備基本計画)基本方針編(素案)について幅広くご意見をいただき、策定の参考とさせていただきたいことから、皆様からのご意見を募集します。
募集期間
令和7年9月1日(月曜日)から 9月22日(月曜日)まで
郵送の場合は令和7年9月22日(月曜日)必着、郵送以外は同日17時締め切り

【提出したパブリックコメント】
2025年9月9日提出
内丸プラン(内丸地区再整備基本計画)基本方針編(素案)への意見
盛岡市長(宛て)
【意見の概要】
県都、盛岡・内丸地区の50年先を見据えた再整備計画の策定に感謝いたします。
歴史と文化、風土を尊重しつつ、未来に向けた魅力的なまちづくりを目指す本プランに、全体として賛同します。
その上で、計画をより良いものにするため、内丸住人として、以下意見や提案をします。
1.評価できる点(賛同意見)
長期的な視点に立った計画であること
場当たり的な開発ではなく、50年という長期的な視点に立ってまちの将来像を描いている点を高く評価します。
人口減少などの社会変化を見据えた持続可能なまちづくりへの意思を感じました。
「4つのゾーン」による機能的な空間づくり
地区の特性を活かし、「シビックコアゾーン」や「業務ゾーン」などゾーニングを設定することで、行政・ビジネス・交流といった都市機能が整理され、市民や来訪者にとって分かりやすく、誰もが集える魅力的な空間が生まれることを期待しています。
2.提案
(提案)内丸メディカルセンターの再整備と医療機能の強化
市民の健康を支える重要な拠点である内丸メディカルセンターについて、岩手医科大学と本計画を連携した再整備を強く要望します。最新の医療設備を導入するとともに、災害時にも医療を提供し続けられる基幹災害拠点病院としての機能を強化してください。
(提案)公民連携による防災拠点の整備
内丸地区が持つ広域的な防災拠点としての役割を強化するため、行政機関の建て替えに合わせ、民間企業や地域住民と連携した防災機能の整備を提案します。例えば、日中を内丸地区で過ごす人たちを含めた帰宅困難者の一時滞在を受け入れ可能な施設の指定や体制づくり、災害用備蓄倉庫を公民共同で整備・運営する仕組みを検討していただきたいです。
(提案)公民連携による共創・協働スペースの整備
業務ゾーンの活性化策として、スタートアップ企業やフリーランス、地域づくりNPO団体、学術機関等、地域企業のサテライトオフィス需要に応える公民連携の共創・協働スペースの整備を提案します。盛岡市役所新庁舎など公共施設の一部を活用するなどして初期投資を抑え、民間事業者のノウハウを活かした運営を行うことで、多様な人材が集まり、新たなビジネスイノベーション、地域づくり活動が生まれる交流拠点となることを期待します。
(提案)「総合的な公園としての内丸」の保全と魅力向上
内丸地区全体を大きな総合公園と捉え、人々が歩いて回れる空間、世代問わずに余暇を過ごせる場所としての魅力を高めるべきです。盛岡城跡(岩手公園)や中津川といった歴史・自然遺産を核とし、これらを結ぶ緑豊かな遊歩道を整備することで、住民や来訪者が心安らぐ空間を保全・創造してください。
(提案)自転車やパーソナルモビリティの活用推進
歩行者を中心としつつ、新たな移動手段として、自転車や電動キックボードなどのパーソナルモビリティが安全かつ快適に利用できる環境整備を求めます。専用レーンの設置やシェアリングサービスの導入により、環境負荷が少なく、回遊性の高いまちづくりを目指していただきたいです。
(提案)自動運転バス等、次世代公共交通システムの導入
50年後を見据えた計画であるならば、自動運転バスやAI活用型デマンド交通といった次世代の公共交通システムの導入を、盛岡駅・内丸地区・仙北駅などの結節点間にて計画を早い段階から検討・実証実験していくべきです。
これにより、高齢者や交通弱者の移動手段を確保し、自家用車に依存しない持続可能な都市交通の実現を目指していただきたいです。
(提案)既存住民および将来の住民が安心・安全に暮らせる仕組みづくり
内丸地区に現在住んでいる方、そしてこれから住まわれる方が、日常通っている方が、長期にわたり安心・安全に暮らせる過ごせるための具体的な施策(例:防災機能の強化、夜間照明の整備、コミュニティ形成支援など)を計画に明確に位置づけていただきたいです。
【まとめ】
内丸地区が、県都・盛岡のシンボルとして市民の誇りとなり、未来にわたって多くの人々で賑わう場所となることを心から願っております。
本プランの実現に向けて、内丸住人として今後も注目し、何ができるかを考え、実際に関われる事を探して協力していきたいと考えています。
市長の力強い決断とリーダーシップにより、市民と共に未来を創る、機会となれば嬉しいです。
岩見信吾
プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo
NPOスペシャリスト・地域情報化プランナー:
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
盛岡市「(仮称)盛岡市中心市街地デザイン戦略に関する市民フォーラム」[2025年8月23日(土)13時00分~15時30分/盛岡劇場メインホール]にて、大々的な宣伝があった【盛岡・北上川左岸側開運橋袂エリア再整備デザインコンペ】
たいへん前のめり的に!?興味があったものの、応募者のエントリー方法が分からないし、見学会への参加も出来なかったし、応募者としての資格が、私ごときな下級層盛岡市民には無いようなので、【勝手に企画書を書いてみた】ものです。

■盛岡・北上川左岸側開運橋袂エリア再整備デザインコンペ – コンテスト 公募 コンペ の【登竜門】
滔々と流れる北上川にかかる開運橋と、その奥に望む壮大な岩手山は、岩手の県都・盛岡の中心市街地を「象徴する風景」として、昔から親しまれてきました。
盛岡の中心市街地の一つのゲートウェイといえる開運橋袂・北上川左岸側エリアの場所性と価値を高めるため、民間によるエリア再整備を実施します。
その前段階として、脈々と受け継がれてきた「もりおからしさ」に加え、これからの時代を牽引するような「あたらしさ」を兼ね備えた機能や意匠に関する提案を、コンペ形式で広く募集します。ぜひ、ふるってご参加ください。
締切:2025年09月26日 (金) エントリー締切
※作品提出は10月31日まで
主催:岩手自動車販売株式会社(再開発事業主体)
運営事務局:株式会社内丸座(盛岡の民間まちづくり会社)
企画書:開運橋たもと【開運】再開発プロジェクト
記載日:2025年9月11日 記載者:岩見信吾
1. プロジェクト名:盛岡・交通と文化の拠点「開運の杜(もり)」
キャッチコピー:開運橋のたもとから、県都・盛岡の未来を照らす
~ひと、もの、歴史・文化が出会う、開運の杜
2. 設計趣旨(コンセプト)
本計画は、岩手県、県都・盛岡市の玄関口であり、北上川と岩手山そして開運橋が織りなす象徴的な景観を有するこの地に、新たなランドマークを創出するものである。かつてより人々の往来と物流を支え、盛岡の発展の礎となってきた「人流・物流・交通の要衝」という土地の記憶を継承し、未来へと紡ぐことを設計の根幹に据える。
目指すのは、単なる商業施設ではない。盛岡の歴史と未来を紡ぐ「交通」をテーマに、地域住民と観光客が集い、交流する多機能複合拠点「開運の杜」の創造である。施設全体を「訪れる人の未来を開く、幸運の旅の始まりの場所」、多様な交流のパワースポットと位置づけ、交通の変遷を辿るミュージアム機能、岩手・盛岡のものづくりの粋を集めた物販・体験機能、そして岩手山・北上川の雄大な自然を享受する飲食・交流機能を複合的に整備する。
これにより、盛岡駅、盛岡城跡公園、そして中心市街地・盛岡バスセンターを結ぶ結節点として、地域全体の回遊性を向上させるハブ機能を担う。「物語性」「体験価値」「持続可能性」を三つの柱とし、関わるすべての人々にとって価値の高い、県都の未来を照らす交流拠点となることを目的とする。
3. ターゲット
- 岩手・盛岡を訪れる観光客:地域の歴史や文化を深く体験したい層。
- 地元住民:日常的に利用できる休憩・交流スペースや、特産品を購入したい層。
- ファミリー層:子供と一緒に学び、楽しめる空間を求める層。
4. 施設全体の機能配置とゾーニング
敷地の特性を最大限に活かし、以下の通り機能配置を行う。
- テラス・屋上からの眺望(岩手山・北上川・開運橋): 眺望を活かし、レストランのテラス席や交流ラウンジ、屋外プロムナードを配置。開放的な景観を形成する。
- エントランス: 盛岡駅からのメインアプローチとし、施設の顔となるエントランスを配置。来訪者の利便性を高めるサービス機能を集中させる。
【1階】ゲートウェイ & カルチャーゾーン
- 観光情報・サービス機能(エントランスホール南側)
- 総合インフォメーションカウンター(多言語対応の観光案内)。
- レンタサイクル・シェアサイクル、スマートモビリティステーション。
- コインロッカー(キャリーバッグ対応)、休憩スペース。
- 歴史・文化体験ゾーン(中央~北側)
- 人流・物流・交通ミュージアム
- シンボル展示:エントランス中央に「初代開運橋の橋桁(一部実物または精巧なレプリカ)」を配置し、来訪者を奥のミュージアムへと誘う。
- 盛岡交通ヒストリーギャラリー:盛岡の馬車、舟運、自動車、鉄道、バスなどの交通の変遷を展示。
- 体験型コンテンツ:VR/AR技術で往時の開運橋や盛岡港の賑わいを仮想体験できるコーナーや、盛岡の交通史をインタラクティブなデジタルアートで紹介する「デジタル絵巻」を設置。
- 物流・交通の「歴史・文化証言」シアター:岩手自動車販売関係者や地域住民のインタビュー映像を上映。
- 開運市場 -IWATE CRAFT & PRODUCE-
- ミュージアムからの動線上に配置し、展示で得た感動を購買意欲に繋げる。
- 岩手県内の工芸品、地酒、お菓子、農産物などを厳選して販売。
- テーマ物販: 「旅立ち」「門出」「縁結び」をテーマにしたギフトコーナーを設置。オリジナルの「開運菓子・おみくじ・旅のお守り、ご栄転の祈願の札」なども開発・販売する。
- 体験型ショップ: 南部鉄器の文鎮づくり、盛岡こけしの絵付けなどが体験できるワークショップスペースを常設。
【2階】ダイニング & コミュニティゾーン
フロア全体を北上川側に配置し、すべてのエリアから川と岩手山の眺望を楽しめるレイアウトとする。
- 開運・北上川ダイニング
- フードホール「開運横丁」:盛岡四大麺?(冷麺、じゃじゃ麺、わんこそば、ひっつみ)の食べ比べや郷土料理を手軽に楽しめる、活気あるレトロモダンな空間。地元酒造業者と連携し、開運にまつわるビールや酒・ソフトドリンクも提供。
- レストラン「-RIVER TERRACE-」:地産地消の創作料理を提供する、記念日などにも利用できる落ち着いたレストラン。
- テラス席:レストランとラウンジの前面に広がり、北上川を望むテラス席を最大限に活用。季節ごとにビアテラスやこたつ席などを展開する。
- 開運リバーサイド・ラウンジ
- 平常時は、北上川を眺めながら読書や打ち合わせ・歓談ができる居心地の良い「ワーク&ブックカフェ」として機能。
- 可動式家具やプロジェクター、音響設備を導入し、トークショー、音楽ライブ、地酒の会、朝ヨガ、子供向けワークショップなど、多様なイベントに対応可能な多目的スペースとする。
5. デザイン方針と景観形成

「開運橋、北上川、そして岩手山が織りなす盛岡の原風景との調和」を基本方針とし、歴史的景観に貢献し、未来にわたり愛される建築を目指す。
- 建築デザイン:
- 建物を低層に抑制し、北上川の流れや開運橋のラインと呼応する水平基調のデザインとする。
- 外壁や内装には、盛岡市産材を含む岩手県産の木材や、北上川の岩肌や盛岡城の石垣を想起させる石材を多用し、地域の風土と温かみを表現する。
- 北上川に面するファサードは大きな断熱ガラス張りとし、内外の景観が一体となる開放的な空間を創出する。
- 空間演出(五感へのアプローチ):
- 光(夜間景観):過度な照明を避け、建物内部からの光が漏れ出すような温かみのある間接照明を主体とする。ライトアップは建物が北上川水面に映り込むことを意識し、幻想的なで温かみのある電球色にし、上品な景観を創出する。
- 音:川のせせらぎなど自然音や、盛岡の風物の音をベースにした環境音楽を流す。
- 香り:盛岡の森林や川をイメージしたオリジナルのアロマで心地よい空間を演出する。
- デジタルサイネージ:イベント情報や盛岡市内の観光・交通情報をリアルタイムで発信する。
- サイン計画:館内の案内表示には、南部鉄器や秀衡塗の技法を取り入れたデザインを採用し、施設全体の統一感を図る。多言語表記を徹底する。
- ランドスケープ:敷地内には地域の在来種を中心に植栽し、建物と北上川の河川敷を緩やかに繋ぐ散策プロムナードを整備する。

6. 事業計画(利活用・運営・持続可能性)
公民連携(PPP)を視野に入れ、持続可能で発展的な運営体制を構築する。
- 運営スキーム:
- 盛岡市、民間事業者、地域づくり団体から成る「開運の杜 運営協議会(仮称)」を設立。
- 指定管理者制度やPFI方式の導入を検討し、民間のノウハウを最大限に活用しつつ、公共性を担保した運営を目指す。観光案内機能など、公共性の高い部分は市からの受託事業として運営する。
- 地域・学術連携:
- 交通事業者連携:JR東日本、いわて銀河鉄道、バス会社と連携し、本施設のクーポン付き企画乗車券を共同開発・販売する。
- 周辺エリア連携:「開運の杜」を起点とした「盛岡まちなか周遊ルート」を連携・構築し、近隣ホテルや旅館・観光施設とも提携する。
- 学術連携:地域の大学・専門学校、高等学校等の学生に、ミュージアムの企画展やイベント運営にインターンとして参画してもらう。
- 収益モデルの多角化:
- 基本収益(テナント賃料、物販・飲食売上)に加え、以下の収益源を確保する。
- スペースレンタル事業:「開運リバーサイド・ラウンジ」の貸出。
- 自主企画事業:収益性の高いコンサートや有料セミナー等の開催。
- ECサイト運営:「開運市場」で扱う商品のオンライン販売。
- 鉄道ファンクラブ・開運会員制度の導入:地域鉄道ファンクラブ(IGR・三鉄)会員や地域住民向けに特典のあるサブスクリプションサービスを提供。
7. にぎわい創出と機能連携の手法
施設内および地域全体の回遊性と体験価値を最大化するため、各機能の有機的な連携と、年間を通じたにぎわい演出を行う。
- 施設内連携(体験のストーリー化):
- 「知る(ミュージアム)→触れる(ワークショップ)→味わう(ダイニング)→買う(市場)」という一連の体験を促す動線を構築し、相互利用を促進する。
- 日常的なにぎわい演出:
- 施設前のオープンスペースで、週末に地元の農産物やクラフト作品を販売する「開運リバーサイドマルシェ」を定期開催する。
- ラウンジ等で地元アーティストによる生演奏を定期的に実施する。
- 戦略的なイベント展開:
- 季節イベント:春の「お花見ダイニング」、夏の「北上川ビアテラス」、秋の「収穫祭」、冬の「イルミネーション&こたつテラス」など、四季の魅力を活かしたイベントを展開。
- 文化連携イベント:盛岡さんさ踊り、チャグチャグ馬コ等の伝統行事と連動した企画を実施し、文化継承の拠点としての役割も担う。
- ナイトタイムエコノミーの推進:夜間に地酒バーイベントやジャズライブ、トークショーなどを開催し、夜の滞在時間を延伸させる。
8. まとめ
本プロジェクトは、単なる「点」としての施設開発ではなく、盛岡駅、開運橋、盛岡城跡公園、盛岡バスセンターといった周辺の「点」を結びつけ、地域全体の回遊性を高める「ハブ」としての役割を担う。
「物語性」「体験価値」「持続可能性」を三つの柱とし、行政、地域住民、観光客、そして事業者にとって価値の高い、岩手県の玄関・県都「盛岡」の新たなランドマークを創造する。
(以上)
【免責事項】
岩手自動車販売・内丸座・マチビトキタルのみなさん、煮るなり焼くなり放置するなり、ご自由にどうぞ。
良い箇所があれば主催者へ帰属しますので、前のめり的に採用ください。
岩見信吾
プロフィール

岩見 信吾 / IWAMI Shingo
NPOスペシャリスト・地域情報化プランナー:
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
人工知能(AI)「Microsoft Bing チャット」で、画像生成実験。
【各生成テーマ】
・岩手山とゴジラ
・浄土ヶ浜とゴジラ
・新幹線とゴジラ
※画像はAI生成によるものです。


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岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
高速鉄道(新幹線)シリーズ
【各生成テーマ】
・秋の在来線(JR山田線)を走行する高速鉄道(新幹線)
※画像はAI生成によるものです。

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岩見 信吾 / IWAMI Shingo
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元副所長・管理者/魚ログ・三鉄ログ創設/ #盛岡星人 /産学民公連携協働,環境と地域ICT,地域DX,まちづくり,商品開発,災害復興。/日本経済新聞【地域情報化大賞 2008】日経MJ賞 受賞:三陸いわて産地魚市場の環境を意識した地域情報化/農林水産省ボランタリープランナー/岩手県宮古市(旧:新里村)出身、岩手県盛岡市在住 [詳細]
2022年10月4日、もりおかワカものプロジェクト(もわっぷ)事務局要務にて、盛岡バスセンターの開業記念式典と子育て支援センター「あそびの広場」の開所式に来賓として出席しました。
たいへんおめでとうございます♪

シン・盛岡バスセンター開業記念式典
盛岡市河南地区および中心市街地の賑わいと、なによりも盛岡バスセンターを中心とした公共交通機関のさらなる利便性向上に期待します。
地方交通のバス路線、鉄道路線の減便、統廃合の話題も顕著になってきました。
地方公共交通の要所、ハブ機能の再考をする時期だと思います。
主要都市の玄関口が、どう変革されていくか楽しみです。

盛岡子育て支援センター開所式
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国土交通省による公共交通の変動性運賃導入検討と、鉄道とバスの1キロあたりの営業経費比較…。
沿線自治体の費用負担や設備の取得や維持管理業務は増えていくのか?
バスへの転換をさらに促進させるのか?
岩手県内の在来線はほとんど赤字でJR東日本のお荷物ですからね…。
地方鉄道 バス切り替えなど抜本的見直し含め議論 国の検討会【NHK関西】
人口減少や新型コロナウイルスの影響で存続が危ぶまれる路線もある全国の地方鉄道について、廃線にしてバスに切り替えるなど、抜本的な見直しも視野に議論する国の検討会が始まりました。
鉄道を残したい地域からの反発も予想される中、鉄道事業者に頼ってきた費用負担などについて、沿線自治体がどのように関わっていくかが焦点となります。
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田沢湖を巡る「実証実験:自動運転バス」に乗りたかったんです…。

岩手・盛岡への地下鉄や新交通システム「LRT」の導入もいいけれど、自動運転バスのピストンや環状運転があっていると思うのは、私だけでしょうか?
■地方創生現場を徹底取材「IT風土記」
秋田発 ドローン、自動運転、IoT…「近未来技術」に懸ける仙北市の未来【wisdom】
秋田県東部にある仙北市が「国家戦略特区」に積極的に名乗りを上げ、地域の活性化に取り組んでいる。小型無人飛行機「ドローン」や無人運転バスなどの実証実験を積極的に展開。近未来技術を地域に根付かせ、新しい産業や若者を呼び込むことも目論んでいる。秋田県は4年連続で人口減少率ワースト1位を記録するなど人口減に悩まされており、いかに人口流出に歯止めをかけるのかは県全体の課題だ。近未来技術を活用し、解決の道を探る仙北市の取り組みを紹介する。
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ななっくの6月閉店と盛岡バスセンターの再整備について。

「ネクストななっく」と、「ネクスト盛岡バスセンター」が、一体的な相互整備で複合型になれば良いと勝手に思う。
しかし「ななっく」は開業当初からの赤字でにも関わらず、今までよくここまで続けてきたと思う。
テナントの空白状態や休日のお客さんの入りも寂しさを感じる状況だったし。
ネクスト盛岡バスセンターの代替え(待合室)が無くなるのは残念だけれど、
やはり一体的な「ネクスト盛岡バスセンター」整備や「ネクストななっく」開発に期待したい。
最近浮上している産直とか公衆浴場のオガール信教の妄想は違うと思う。
ここは「町」ではない、「中核市」である。しかも県庁所在地である全くセンスがない。
なにより、バスセンターなのに「バス交通」の議論がなされていない、十分に揉まれていないというのが残念です。バス路線もバスのダイヤ・本数も少なくなってきているのに、盛岡駅と盛岡バスセンターの役割を明確化し、鉄道とバスの県都・盛岡での公共交通のあり方を考えていくタイミングです。
バス業界も効率化をも重要だが、乗降客の利便性を重視してほしい。岩手県交通と岩手県北バスのバスカードも相互に使えなくなり、近い未来に岩手県交通の「でんでんむし」も現金のみとなるキャッシュレス化の時代と逆行している。
やはり観光客のことも考え「交通系ICカード」で乗降できるようになるべきだし、なにより運転手の運転技術の向上もお願いしたい。
シン・盛岡バスセンターとシン・ななっくというべきかな…
「自動運転化」が時代の流れなのに大人の事情というものがもどかしい。バスも鉄道も廃線になったら本末転倒なのにね。
跡地再開発「最短でも3年」 ななっく閉店で見通し 【岩手日報】より
6月に閉店する盛岡市中ノ橋通の商業施設Nanak(ななっく)の親会社マイルストーンターンアラウンドマネジメント(東京都、早瀬恵三社長)は1日、跡地再開発に3年以上かかる見通しを明らかにした。同社は複合型商業エリアの整備を探るが、具体的な設計やスケジュールは未定。同市河南地区の中心部は長期間、空き店舗または更地が占める「空白」状態に置かれることになる。
2019.03.02
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